鳩山のバカ、アホ、ノータリン (その2)

毎週日曜日に更新している私のブログ記事、今回は旅行のため一日早めて本日(土曜日)に更新させていただきました。
アメリカのオバマ大統領が9月24日国連の安保理会合の議長を務め、核軍縮・核不拡散をテーマにして論議し、その結果全参加国は「核兵器のない世界」を目指す決議を全会一致で採択した。
「核兵器のない世界」をめざすとオバマが呼びかけたからといって、彼の頭の中にあるのは世界ではなくて、アメリカ第一主義、国益中心だということです。その点を鳩山首相や日本の左翼は、勘違いしているのだ。9月30日発行のアメリカの週刊誌ニューズウィーク紙でも、オバマの呼びかけは、「一つの前提に基づいている。核兵器はアメリカの安全保障にとって『最大の脅威』であるというものだ」と書いています。
この週刊誌の記事については、読者の中には不思議に思う人がいるかもしれません。なぜなら日本みたいに核を持ってない国が、核兵器は日本の安全保障にとって『最大の脅威』と言うならわかります。しかしアメリカは核保有国であるし、そのうえ世界最強の軍事力を持っているのに、核兵器はアメリカの安全保障にとって『最大の脅威』とは納得できないからです。
実はアメリカの世界一の軍事力にも弱みがあった。その弱みを理解するために強みを説明しましょう。アメリカはいくら北朝鮮が、アメリカ本土に核兵器をぶちこんでも恐くありません。すぐに反撃して北朝鮮を壊滅できます。北朝鮮ばかりでなく例えロシアでも支那でもアメリカ本土に核兵器をぶちこんでも、反撃して相手国をやっつけることができます。現在世界でたった一国だけでアメリカに戦争をしかけて勝てる国はありません。ところがそのアメリカに弱みがありました。その弱みを露呈したのが、2001年のニューヨーク同時多発テロです。
あの同時多発テロにアメリカ国民は驚愕動転しました。アメリカという国の象徴ともいうべき都市、ニューヨークが不意に爆撃を受けたのと同然になってしまったからです。実はこれまでアメリカ本土が爆撃されたのは、アメリカが独立を求めてイギリスと独立戦争した時のイギリス軍によるものだけでした。日本との戦争でもハワイがやられただけでアメリカ本土はなにも攻撃を受けていません。そのアメリカ本土がテロにあっさりと空爆されたのと同然の姿をさらしたわけですからアメリカ人にとっては大ショックでした。
この同時多発テロでアメリカは二つの事を知りました。アメリカはテロ攻撃に弱いこと、テロとは戦争できないこと。テロリストの仕業とわかっていてもアメリカは何処の国と戦争しかけてよいかわからいからです。あの「目には目を、歯には歯を」というメンタリティーを持っているアメリカ国民が、どこに反撃していいかわからないのです。これほどアメリカ国民にとってショックなことはありません。さらにアメリカ人の悪夢になったのが「もし核兵器がテロリストに渡ったら」どうなるか。アメリカは、世界中のテロリストが一番嫌っている国です。そのテロリストに核兵器が渡ったら、それだけでアメリカ国民には、身震いするほど恐い話です。そのため同時多発テロ事件以来、アメリカは、核拡散による核が絶対にテロリストに渡らせないことを優先することが国策になったのです。だから最初に触れましたようにニューズウイーク紙が、「核兵器がアメリカの安全保障にとって『最大の脅威』であるというものだ」と書いているのは、ロシアなどが持っている大国の核兵器が脅威ではなくて、テロリストに核が渡った場合の核が脅威になったのです。
同時多発テロが起こった頃フセイン大統領が支配したイラクが核開発をしているとか、もうすでに核兵器を持っているとかがニュースになっていました。アメリカは、フセインのイラクが核兵器開発し、それがテロリスト、アルカイーダの手に渡るのを防ぐためにイラクと戦争した。その結果は、イラクは核兵器を開発していなかったのがわかりました。アフガニスタンでは、やっつけたはずのタリバンが復活してきてアメリカを初めとする多国籍軍と戦闘活動をしています。アフガニスタン全土がタリバンの支配に入ると隣国のパキスタンは核保有国です。しかもパキスタンの政情は不安定です。ひょっとしてパキスタンの核がタリバンの手に入るかもしれません。
とにかく現在のアメリカは、核兵器が所有する国々が続々現れ、核拡散が続くようだと核がテロリストに渡る可能性が高くなりますから、非常に神経質になっています。ここへきてアメリカの国情に変化が起きました。それはアメリカ発の経済恐慌です。これによってアメリカ経済はガタガタになりました。
その結果:
1.もうアメリカはこれまでのように核がテロリストに渡らないようにするために軍事力を使う余力が無くなってきたのです。アフガニスタン戦争も長引きそうだし。もうこれ以上国力を消耗する軍事作戦に耐えられなくなってきたのです。
2、軍事予算の削減、核兵器削減は、アメリカの国家あげての大プロジェクトになった。
アメリカ国内の経済上の理由でアメリカだけで核兵器を削減したら、アメリカの軍事大国としての地位が低下することになります。そこでオバマは、大義名分が通る「核兵器のない世界」実現です。これによって核保有国を同じテーブルにつかせ、「核兵器のない世界」実現のための交渉をする。当然核保有国は、いきなり全核兵器を廃棄できませんが、いずれ廃棄の割合を決めることになるでしょう。こうしてアメリカだけが核兵器を廃棄することなく、相変わらず世界一の軍事大国の地位を保ちながら核兵器を減らすつもりなのです。
要するに私の主張したいことは、オバマ大統領が立派な人間だから「核のない世界」を目指す会議を開催したのではなく、あくまでもアメリカ側の事情によるものだということです。それを鳩山やマスコミ、日本の左翼は、オバマの「核のない世界」の呼びかけに、その背後にはなにかあるのではと、探ろうともせず、単純に喜んで拍手で迎えているのだ。私に言わせれば世界の主要国の政治指導者がきれいごとを言ったらその背後にはなにかあると思って間違いないのです。世界の主要国の指導者は、世界のことを考えて発言したり、行動したりしません。あくまでも自国の国益に合わせて発言、行動するのです。
鳩山はこの核廃絶会議で演説しました。オバマの意気込みに負けてはならないと気負った演説内容です。演説全部を披露することができませんので、私が気になった点を取り出し、私のコメントをつけてみました。
1.「日本は核兵器廃絶に向けて先頭に立たなければならない」
鳩山よ、正気ですか。核兵器のない世界の実現などというこんな難しい問題は、核保有国が先頭にたって行動しなければ到底実現できません。日本が先頭に立ったところで核保有国が率先して協力してくれなければなにも進みません。だからここは「日本は核兵器廃絶に向けて先頭に立つ」のではなく「核保有国が先頭に立って行動しなければ、実現しません。核保有国は率先して先頭に立ってください」となぜ言えないのですか。
2.「1970年にはNPT(核拡散防止条約)に署名、1996年にはCTBT(核実験全面禁止条約)に署名した。核軍拡の連鎖を断ち切ることが唯一の被爆国としての道義的責任だと信じたからだ」
「被爆国としての同義的責任」とは何ですか。いくら文章全体が、「核軍拡の連鎖を断ち切ることが唯一の被爆国としての同義的責任だと信じたからだ」としても「同義的責任」などと言う言葉を使うべきではありません。誤解を与えるだけです。被爆国日本にはどんな種類の同義的責任など、一切ありません。「道義的責任」などという言葉は、まるで原爆碑に刻まれた有名な「二度と過ちを繰り返しません」という卑屈な言葉と同類の表現です。
「日本は被爆国なので核兵器を持つ権利が一番ある国です。しかしこれ以上核兵器軍拡競争が広がってはいけないとの思いから、日本はその権利を犠牲にしてNPT(核拡散防止条約)とCTBT(核実験全面禁止条約)に署名した。しかし結果的に我が国の犠牲心が実を結ばなかったことは非常に残念です」。これは私が考えた演説のセリフです。読者は、どちらのセリフが卑屈でなく、自己主張しているセリフか判断していただけると思います。
3.「日本が非核三原則を堅持することを誓う」
このセリフは上記(2)のセリフのすぐ後で述べられています。非核三原則とは、「核を持たず、作らず。持ち込まず」の三原則のことです。このセリフは鳩山演説の中で一番最低、最悪です。鳩山よ、「核兵器のない世界」などすぐ実現すると思いますか。長い年数がかかり、あるいは実現しないかもしれないと考えるのが常識でしょう。それなのに、なぜ非核三原則の堅持など日本の今後の軍事計画など公表するのだ。これを聞いて韓国、北朝鮮、支那がどれほどほくそ笑んでいるのかがわからないのですか。この三国やロシアなどどれほど日本をなめきっているのかが理解できないのですか。彼らは現在の日本の軍事体制や軍事力では「どうせ何も出来やしない」と完全になめきっているのだ。鳩山や今の若い政治家は、竹島を韓国から奪われた時、日本がどれほどの犠牲を払って失ったのか知らないのだ。学校で教えることもなければ、マスコミも語ることがないからです。
日本の被害の実態を教えてあげましょう。韓国に拿捕された日本漁船:328層、抑留された日本漁民:3929人、殺された日本漁民:44人、その上日本は、日本の刑務所に服役していた韓国人犯罪者、427人に在留特別許可書を与えて刑務所から放免。これだけの屈辱を受けて日本は竹島を失ったのだ。この事件以来、韓国は日本をなめきってきたのです。首相の靖国参拝反対、従軍慰安婦事件、歴史教科書への干渉等等です。
北朝鮮や支那が日本になにをしてきたか、ここで一々書かなくてもわかるはずだ。鳩山が非核三原則を貫くなら、政権を握っているのだからそれもよかろう、しかしわざわざ公表するバカがどこにいるかというのだ。鳩山よ、よく聞け。理想だけで世間を渡れないと同様に理想だけでは世界で生き残れないのだ。
最後に非核三原則などという馬鹿げた時代遅れの原則を廃棄するよう鳩山に忠告します。西ヨーロッパ諸国の軍事同盟にNATO(北大西洋条約)があります。このNATOとアメリカは軍事同盟の関係があります。NATO加盟国の中には、日本のように核兵器を持たない国々があります。その国々とアメリカは、核シェアリングという条約を結んでいます。核シェアリングとは、核を持たない国が有事の際には、アメリカの核を使わせてもらうことです。当然有事の際を想定してアメリカ製核兵器の扱い方をアメリカから教えてもらう訓練もします。韓国もアメリカとの核シェアリングについて話し合いに入っていると聞いています。
鳩山よ、非核三原則など廃棄して、アメリカに核シェアリングの構想を呼びかけたらどうですか。アメリカにしても、日本が非核三原則を固守している以上核シェアリングの構想を日本に持ち出すことはできません。私がバカ、アホ、ノータリンと呼ぶ人というのは、現実を直視してそれに対応した政策を考えず、理想ばかり追い求める政治家のことです。あなたが温暖化ガス削減交渉でかかげた25パーセントという数字の背景を具体的に説明できますか。説明できるわけがありません。理想とムードに走った数字をあげただけだからです。そして今頃になって各家庭にどのくらいの経済負担がかかるのか計算させているのだ。やることが逆じゃないですか。国際社会で数字を発表する前に当然計算しておくべきだったのではないですか。
あなたは、「日本列島は、日本人の所有物じゃない」と言いました。雑誌「論座」では、日本人の所有物と考えるのは、思いあがりもはなはだしい」とも言いました。私は日本の首相という者は、日本国民のためだけに働いてくれる人だと考えていました。日本には在日韓国人もいれば在日支那人もいる、だからあなたは、日本人のためだけでなく、彼らのためにも働いているのですか。あなたのあだ名は、「宇宙人」だそうだ。そしてあなた自身も「宇宙人」と呼ばれるのが好きだと聞いています。冗談じゃないですよ。宇宙人の考えで政治をやらないでください。世界の現実、日本の現実を直視して、日本列島に住んでいる在日外国人のことは考えなくていいから、日本国民のことだけを考えて政治をしてください。バカ、アホ、ノータリンの政治家が首相になるほど腹立たしいものはありません。
追記:
以前ブログでご案内しましたが、10月18日(日)に私の講演があります。
場所: 大和市生涯学習センター204号室、大和市深見西1丁目3-17
    電話: 046-261-0491
最寄り駅: 相鉄線「大和」駅、または小田急―江ノ島線「大和」駅
      駅から徒歩 10分
時間:14:00-16:30
演題: 「逆境に生きた日本人」
主催者: 大和正論の会
参加費: 会員 1000円、非会員 1500円

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