大相撲野球賭博事件に思う

大相撲名古屋場所も終わり、三重海理事長も復帰し野球賭博事件の騒々しさも大分収まってきました。日本的慣行には長所短所がありますが、この事件はその短所がものの見事に現れています。多くの国民がそのことに気づいていない、あるいは気づいていても気にしないからから繰り返す。まさに慣行、習慣といえます。この大相撲野球賭博事件の特徴とは何か。それは集団で責任を取らせること、集団で責任を取らせるということを一番分かり易く説明できるのは高校野球です。高校野球の野球部員の一人が重大な犯罪に走る、あるいは重大な犯罪ではなくても部員が喫煙していた、あるいは酒気を帯びていた、あるいは暴力を振るった、こういった事件を起こしたのが一人ではなく、二、三人になると、その野球部全体が非難され、校長や監督は謝罪し、夏の甲子園の出場校に選ばれていてれば、間違いなく出場を辞退することになるでしょう。わずか二、三人の部員の不道徳行為によって他の部員全員が責任を負わされるのです。私たち日本人の多くは、この行為をあたりまえのごとく受け入れるのだ。不道徳な行為をした野球部員には、不道徳行為の内容により、その部員だけを甲子園に出場させない、あるいは野球部を退部させる、あるいは学校を退学させる、そして他の部員は全員甲子園に出場させる。私はみなさんに御聞きしたい。この解決方法の方が全員に責任をとらせるより明快で、論理的で、理解しやすくありませんか。さらに不道徳行為をしていない部員が罰せられるという理不尽さもありません。それどころか不道徳行為をしていない野球部員の存在感を認めることになりませんか。集団で責任をとらせるやり方は、野球部全体のことを考えるために、あるいは野球部全体の体裁を取り繕うため、部員一人一人の存在価値がないも同然になってしまうのだ。また不道徳行為をしてない部員は、自らこんな処罰を受けるのは不公平だし、自分たちの人権を無視されたのも同然だと主張もしない。日本には全体を優先するあまり個というものは往々にして無視される場合が多いのではないでしょうか。

それでは大相撲の野球賭博の話に移りましょう。大相撲の力士数は、現在最下位クラスの序の口まで入れると721名、その他番付外の力士が数十人いるでしょう。その他に部屋持ち親方が55名、部屋を持っていない親方も数十人いるでしょう。合計すれば、床山や行司を除いても、およそ1000名が土俵と直結した生活をしているわけです。この大所帯の中で大関、琴光喜と大嶽親方は解雇、幕内力士6名、十両力士5名が、名古屋場所出場停止。わずか10数名の力士の不道徳行為で900名以上の力士たちが責任を負わされる。人気力士の高見盛が、テレビで「野球賭博をしない力士が沢山いるのに力士であるというだけで白い目で見られる」とぼやいていましたが、全く同情に値する話です。NHK中継中止に賛成し、名古屋場所開催を反対した人たちは、むりやり責任を負わされる900人以上の力士たちのことを考えないのでしょうか。このケースは、最初に挙げた高校野球部の不祥事件の解決方法とまったく同じではないですか。私たちはなぜ不祥事に関係ない人たちが圧倒的に多いのに、その人たちにも責任を取らせるのでしょうか。もうこの辺でこういう悪習慣は断ち切ったらどうでしょうか。

もう一つ悪習とも呼ぶべきものがあります。それは「監督不行き届き」の理由のもとに行われる罰です。高校野球部の不祥事の場合には、全員が20歳以下で高校生ということもあって野球部監督や校長が監督不行き届きで非難されても仕方が無いでしょう。しかし大相撲の場合、まれに出世が早くて関取と言われる十両に20歳未満で到達することはままあります。しかし大方は20歳以上で関取になるのが圧倒的です。その20歳以上の大人の力士が野球賭博をしていたからと言って、その力士を配下に持つ親方が「監督不行き届き」のもとに謹慎処分を受けているのです。「監督不行き届き」だと口頭注意ぐらいならわかりますが、なにも親方までが罰せられる必要はまったくないのではないですか。サラリーマンの世界でも同じようなケースが多々あります。30歳も過ぎたサラリーマンが違法行為を行った。時にはその上司までもが「監督不行き届き」を理由に減給処分を受けることもあります。20歳を過ぎた人の行為の結果の責任は、どんな事情があるにせよすべて本人の責任なのです。本人の責任ということに徹底しなければ責任感ある人間に育ちません。「監督不行き届き」などというのなら成人の日など失くすべきです。

次に野球賭博という不祥事について考えてみましょう。琴光喜関と大嶽親方が解雇されました。二人は野球賭博をやって儲けたのです。その儲け金をくれと言ったら逆に相手から金を出せ、ださないとマスコミにばらすと脅かされて逆に金を取られた、いわゆる恐喝にあったわけです。二人はなにも悪いことはしていません。被害者ですよ。酒を飲んで歩いていました。交差点にきて交通信号が緑になったので歩きだしました。そこへ自動車がやってきて急ブレーキをかけたが衝突して怪我をしていました。運転手は当然罰せられたが、酔って歩いていたお前も悪いと罰せられました。なんだかこんな事件と似ていませんか。それでも恐喝事件に巻き込まれた二人の解雇はしょうがないといたしましょう。しかし野球賭博をやっていたから出場停止になった力士ですよ。かわいそうなのは。私は皆さんに御聞きしたい。力士は野球賭博も、賭けマージャンも、賭けゴルフも、競輪、競馬、パチンコなど一切の賭け事はしてはいけないのですか、力士たちを聖人君子の集団にしたいのですか。賭け事をしたら度を越さないこと。これは賭け事をする一人、一人の心がけの問題です。一人ひとりの心がけの問題であり、野球賭博で一人も逮捕者も出ていない、野球賭博に関わらなかった力士が圧倒的に多い、にもかかわらず相撲協会全体が悪呼ばわりされ、責任を取らせられたのか全く理解できません。まさにマスコミによる茶番劇、マスコミによる弱い者いじめとしか思えませんか。警察官が野球賭博した力士たちの相撲部屋を家宅捜査しました。暴力団の名刺が出たと大騒ぎ。私も人並みに名刺を持っていますが、中には暴力団関係の名刺があるかもしれません。松ヶ根親方が自分の部屋の力士たちの宿舎としてあるビルを借りていました。そのビルのオーナーが暴力団と関係があると騒がれました。松ヶ根親方は20年前から借りているビルでした。かりにそのビルのオーナーが暴力団と関係があったとしても親方自身が違法なことしなければなんら問題になりません。貴乃花親方が数人と食事をしました。その中に暴力団関係者がいました。食事をする前に一人、一人に「あなたは暴力団と関係ありますか」と相手に聞けますか、失礼じゃないですか。要するに「大山鳴動してネズミ一匹」とはこのこと。バカ騒ぎの割には、相撲協会から逮捕者一人もなし。

「恥の上塗り」ならぬバカの上塗り、いやバカ騒ぎの上塗りは、有識者による特別調査委員会の設置です。政府も役所も有識者による会議とか有識者による特別委員会の設置とかいう手をよく使います。私などはいっかいの無名な定年サラリーマンですから、余計気になるのですが、一体この有識者という輩は、どういう基準で選ばれるのか政府も役所も一度も国民に説明したことはないのではないですか。この特別調査委員会の設置も文科省の指導と相撲協会の協力の結果です。その委員会の顔ぶれを見てみましょう。
委員長:伊藤滋(東大名誉教授)、村山弘義(元東京高検検事長)、吉野準(元警視総監)、
奥島孝康(前早大総長)、野呂田芳成(元防衛庁長官)、山口弘典(日本プロスポーツ協会副会長)、ここまでは全員日本相撲協会の外部理事または外部役員です。この他に弁護士3人、長尾敏成、村上泰、望月浩一郎、計9人です。

皆さんご存知のように村山氏(元東京高検検事長)が日本相撲協会の理事長代行を務めました。本来からいうと特別調査委員会の委員長である伊藤氏(東大名誉教授)が理事長代行を務めてもおかしくありませんか。なぜだろうとちょっと疑問に思って伊藤滋氏をネットで調べてみると財団法人「社会安全研究財団」の理事長をしているのです。「社会安全研究財団」などという名前を聞くと、およそパチンコに縁があると思わないでしょう。実は、ぱちんこ業界直属の財団法人で、主な仕事は、安全、治安に関する一切の業務、例えば、新しい防犯機器の開発、あるいは研究、あるいは資料作成などに寄付をする、寄付団体です。ぱちんこで稼いだ膨大な資金の一部を供出し、ぱちんこ業界の影響力を強めようというのでしょう。私は読んでいませんが、最近の週刊ポストでは、この「社会安全研究財団」は、警察官のおいしい天下り先になっている。そのためどんな射幸性の高いパチンコ機械を開発しても規制されることはないなどと警察庁と「社会安全研究財団」との癒着を指摘しているそうです。うそかほんとか週刊誌だからわかりませんが、パチンコ業界直属の財団の理事長をしいて、それでいて相撲協会の理事長代行ではまずいと考えたのでしょう。そのため村山氏が理事長代行になったのではと私は推測しています。

名古屋場所終了をもって村山理事長代行業務は終了、三重海理事長が復帰する予定でした。それが暫く延期され8月5日に復職しました。なぜか。特別調査委員会のメンバーである山口弘典氏(日本プロスポーツ協会副会長)が知人に頼まれて土俵下の維持員席(土俵下の特別席)を手配、その維持員席が暴力団に渡ったことが判明した。特別調査委員会は、山口氏の辞任を要求、しかし彼は断った。なぜなら特別調査委員に指名される時に、その維持員席のことを三重海理事長に話ししてあるからです。三重海理事長はそれを公表しなかった。結局、特別調査委員会は、山口氏を解雇、三重海理事長の復帰が延期された。これで大相撲野球賭博事件の茶番劇も終わりかと思ったら、7月28日の産経新聞のニュース、大きな見出しで、『村山理事長代行「”疑惑企業“の監査役歴任」』という記事がでているではないですか。長い記事ですから全文を網羅することができませんので要約すると、村山理事長代行は、二つの企業の監査役などを歴任していたのです。一つは東証マザーズに上場していたインターネット音楽配信会社「リキッドオーディオ・ジャパン」(上場廃止)、もう一つは東証2部に上場していた不動産会社「スルガコーポレイション」(民事再生中)。この2社とも暴力団と深く関わっていて、この二社が現在活動していない理由の一つに暴力事件など起こしていたことがあげられています。

村山氏は、新聞紙上で「私は反社会的勢力のために働いたことはない」と弁明していますが、村山氏を雇う方は、村山氏の経歴を考えれば、法的ボディーガドなると考えて当然ではないですか。だから村山氏は企業とのつきあいには慎重を帰すべきなのです。その村山氏が、力士に向かって暴力団とつきあうなというのです。特別調査委員会の委員として選ばれるのにふさわしい人物なのでしょうか。要するに特別調査委員会の委員長の伊藤は、警察庁との癒着がうわさされるパチンコ業界直属の財団の理事長、委員で理事長代行の村山は、暴力団と深く関わっていた二つの会社の監査役や取締役顧問をしていたのだ。驚くではないですか、これでは解雇された大関、琴光喜と大嶽親方が可哀相です。処罰が厳しすぎると思いませんか。

この事件の騒動を大きくしたのがNHKの名古屋場所中継放送の中止考慮発言と中止決定通知です。NHKなどという放送局は、ある団体の組織や集団に対して「お前らの素行が悪いから、中継いたしません」などという資格など全然持ち合わせていません。NHK自身に素行の悪さがあるからです。日本国民の多くが、NHKがどんな放送局か実態を知らなさ過ぎるのです。日本の放送法には、次のような規定があります。
1.政治的に公平であること。
2.報道は事実をまげないですること。
3.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点をあきらかにすること。

NHKはこの3項目にすべて違反しています。NHKの放送内容に満足しているのは、日本の左翼と韓国と支那だけ。日本の近現代史に関するNHKの放送内容は、史実の改竄、捏造、歪曲、曲解すさまじい限りです。戦前戦中の日本という国は、なにがなんでも極悪の最低の国にしなければならないという使命感に燃えている、すなわち支那の強い影響下にある放送局と言っても過言ではありません。そのため多くの聴視者が聴視料金の支払いを拒否しています。私もその一人です。支払い拒否してもう7年目になります。去年4月に放映されたNHKのシリーズ物の番組「JAPANデビュー」の第一回の「アジアの一等国」の放映では史実の改竄、捏造、歪曲、曲解があまりにもはなはだしく、数回にわたって千人前後のデモがNHKにおしかけ、一回はNHK関連ビルを人間の手の鎖取り囲みました。このNHKデモに対して日本の全マスコミが放映しませんでした。放映したのはチャンネル桜だけ。したがって地方の人などNHKにデモがしかけられた事などほとんど知らないでしょう。日本相撲協会の人たちも知らない人が多いのではないでしょうか。このデモは組織が動員したデモではありません。一人一人が自発的東京及び東京近郊から参加したデモです。要するにNHKは、日本相撲協会を批判する資格など一切なし、ふざけるなと私は言いたい。私はNHKの名古屋場所中継中止には猛烈な怒りを感じている一人です。ほぼ半世紀も中継してきたものを中止にするほどの大事件なのでしょうか。産経新聞が報じた村山理事長代行の負の経歴をNHKテレビニュースでは一言も放送していません。そのくせ最近ではもう一人元幕下力士が暴力団に野球賭博で恐喝されていると執拗に放送し続けています。大相撲賭博事件がそれほど重大な事件であったら天皇陛下は、わざわざ横綱白鵬に異例ともいうべき激励と称賛のお言葉をかけるでしょうか。人によっては、NHKによる大相撲潰しの計画という人もいます。現在のNHKの体質を考えると一笑に付すことはできません。NHKは日本の敵だからです。

最後にこれは私の意見ですが、集団で責任を負わされる団体、組織には特徴があるということです。その特徴とは、その団体、組織が比較的小さく、弱く、責めやすい組織であることです。巨大な組織だと集団で責任を負わされることはないのではないでしょうか。相撲協会は文科省の管轄にあります。同じ文科省の管轄にある日教組を見てください。日教組の悪質さは、相撲協会の賭博事件などとても事件などと呼べませんよ。選挙がある度に違法行為をして逮捕された先生、有罪判決を受けた先生は数しれず、痴漢などの不道徳行為の先生も数しれず、「交通信号皆で渡れば恐くない」式に集団で違法行為を堂々とする(参照:私のブログ記事「浜教組の違法暴挙」7月10日、この記事はほんの一例にすぎません)等々、それこそ私は文科省に主張したい、法的に可能であるなら有識者の特別調査委員会を日教組内に立ち上げよ、日教組の委員長代行をしばらくの間、日教組に送り込んだらどうですか。川端文部大臣には日教組をしかりつける勇気はなし、NHKを含むマスコミは知らんふり。日本のマスコミは弱い者いじめをするので有名だが、まさに大相撲野球賭博事件はその典型的な例でしょう。

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