書評(3)「えんだんじ・戦後昭和の一匹狼」

鎌倉市在住の藤田茂光氏は、現在85歳。藤田電気管理事務所を経営されていましたし、また東京電気管理技術者協会副会長を務めておられました。著作には「頭念を拂う:本当の自己をつかむため」(2011年 暮らしの手帳社)があります。「大東亜戦争は、アメリカが悪い」の英文翻訳と資金援助してくれた鎌倉在住の渡辺昌明氏と藤田氏とは鎌倉の浄明寺で行われる座禅仲間でした。藤田氏は渡辺氏が英文翻訳と資金援助を私にしてくれていたことは、十分知っていて陰ながら私たち二人を支援してくださいました。
「えんだんじ・戦後昭和の一匹狼」が出版されましたので、藤田氏に贈呈したところ、彼から次のような書評が送られてきました。彼の了解を得ましたので、全文を引用させていただきます。
引用開始
「ご本を頂戴してから、一日も早く読んで感想を申し上げ、御礼をしなければと思い、日頃からの積読、並読をストップして一気に読み上げました。読後感は、とても侘しい、悲しい、切ない。それでいて、胸のつっかえがとれて清々しい感じでした。侘しい、悲しいは愛する人との出会いそして別れであり、人間存在の悲しみであります。出会いそして別れ、結婚してお子さんが三人までおられるのに、別れなければならなくなった苦しみ。私にはとても、とても想像も出来ないことであります。
特に島さおりさんとの別れは、私も胸が一杯になりました。人生とは悲しいものですね。ご冥福をお祈りいたして止みません。
胸のつっかえとは、外人上司、社長との喧嘩、格好いいですね。胸がすかっとします。しかし、これは誰にでもできるものではありません。これが出来る人は、第一に、論理整然としていること、常日頃から熱い日本人としての血が滾っていること、そして肝ができていること。これが出来ていないと、絶対にできません。鈴木さんは、そういう人間であると、私はそう理解し、お付き合いをいただいております。

昨日、八月十六日、座禅のあと友達皆に御本のこと、渡辺昌明さんのこと等をお話しいたしました。そして『大東亜戦争は、アメリカが悪い』の御著書を世界中の人に読んで貰うために出版費用を稼がねばならないので協力してくださいと請願されておられます。どうぞそのために、禅友渡辺昌明様のご供養のためにもご協力してくださいと頼みました。
私も出来る限り協力を続けて参りますので、鈴木さんにはくれぐれもお体に気をつけて頑張って生きて下さい。人は「蓋棺事定」であります。
同封のお金は、出版費三千万円分の一に過ぎませんが、どうぞ笑納くださいませ。亦、出版の協力に就いては、別紙の通りのお願い文を作成して、友達に配布致しましたことを申し添えておきます。どうもありがとうございました。不備
平成二十七年八月十七日 藤田茂光
引用終了
藤田さんの手紙のなかに「蓋棺事定」(がいかんじてい)という言葉がありますが、私も最初わからなかったので説明しておきます。これは禅用語で「人にはいろいろあり、いろいろと生きて参りましたが、結局は棺に入れられ蓋に釘を打たれて初めて賢否が定まる」という意味だそうです。

藤田氏の禅友たちへの手紙の内容:
引用開始
「                お願い
禅友・故渡辺昌明さんは生前、鈴木敏明氏の大著、『大東亜戦争は、アメリカが悪い』を英文翻訳されておられました。この本は既に、在日の外国の大使館、領事館他、百八十五ケの国に贈呈されています。そして鈴木氏は今、この本を英語を母国語とする国々の図書館に贈りたいと考えて、その資金を作る為、この夏文芸社から新たに『えんだんじ』を創作発表しました。この際故渡部昌明のご供養と鈴木氏へのご協力を併せ考えてご購読下さいますようお願い申し上げます。敬白
平成二十七年八月十七日  藤田茂光
引用終了

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