なぜ「現行憲法」は今だに存在しているのか?

なぜ「現行憲法」は未だに存在しているのか?
現在の憲法は昭和21年(1946年)11月3日に交付され、昭和22年(1947)5月3日に施行されて以来現在、平成31年(2019)にいたっている。この憲法は、GHQのマッカーサー元帥の命令によって僅か一週間で作成された英文の民政局草案を骨子としたものです。要するにこの憲法は、差別憲法で非合法に非民主的に制定されたのだ。憲法も変われば民法も変わる。民法というのは、一民族の何百年間の伝統ですから、そんなものを外国の軍人が変えてはいけない。それを平気でやるのは、マッカーサーは有色人種はそうしてもいいと思っていたからだ。ところがこの憲法を無効にし、日本独自の真に独立した国家の日本新憲法を制定しようとする動きが国会で論議されたことはありません。それどころか昨年は安倍内閣の小手先の憲法改正の動きが保守陣営の中で大きな喜びの話題になった。 
ところでこの現行憲法についてあまり良くわからない読者には、次の三冊を読むことをお勧めします。「日本国憲法」・「新皇室典範」無効論」(106頁)、小山常実、自由社、もう二冊は「日本人を狂わせた洗脳工作」(82頁)、「いまなお蔓延(はびこ)るWGIPの嘘」(112頁)、関野通夫、自由社。
三冊とも頁数を見れば少ない、それだけに余計なことは書かずに、分かりやすく書かれています。昨年から安倍内閣の憲法改正問題が話題になりましたが、その話題は今後もつづきますのでぜひこの参冊をお読みください。安倍内閣の改正の何が問題なのかすぐに分かるでしょう。ちなみに著者の小山氏は「つくる会」の理事であり、関野氏は「つくる会」の会員です。
昨年は安倍総理の憲法改正の動きには保守陣営諸手をあげて賛成のような勢いでした。この憲法を改正したら、この屈辱的な憲法を改めて再認識して認めたことになる。とんでもない話になるので私は、大反対でした。その大反対の理由をいくつかあげましょう。その前に私の経歴から話させてください。経歴で培われた私の信念が安倍内閣の小手先憲法改正に大反対だからです。昭和29年春、この年から日本全国、地方の中学卒業生を大都市の企業に就職させようとしていわゆる「就職列車」を運行した。以来20年間毎年春にはこの就職列車で全国の地方の中卒生が就職目的のため大都会に呼び寄せられた。このため現在80歳から60歳までの人には圧倒的に最終学歴中卒の人が多いい。私はこの昭和29年に公立高校を受験し、不合格なら就職と決めていた。ところが高校に合格し入学した。
極貧なためアルバイト等で大学に進めず、私が23、4歳のころアメリカの船会社に入社、以来61歳で定年になるまで、日本に所在する外資系会社5社(アメリカ系3社、オーストラリア系とドイツ系)を渡りあるいて定年です。61歳で定年後一切仕事せず、執筆生活です。自書を10冊出版しています。贅沢はできないが、普通に自活しています。まあ、まあ、めぐまれた定年生活です。サラリーマン生活、誰にも運、不運がいりまじります。それでも外資系5社渡り歩いてきた私にも40年間に私には一貫した考えがありそれを実行してきたからだと自負がある。皆さん、なんだと思いますか。
それは、「何事も論理的の考え、論理的に行動すること。」
またこのことは、実は一番外国人に通用することなのです。かって私と衝突したことがある外人ボスがいた。彼は言った。「鈴木、俺は鈴木をいつでも好きな時に首にできる権限を持っているのだ。」と平然と私に向かって言った。
私は平然と答えた。「首にするなら首にしてくれ。しかし私はすぐに反論を書いて、私の同調者の数名のサインを取り付けてあなたの上司に送りつけます。」その夜は家に帰ったら、すぐに反論の手紙の原稿を書いていた。勿論論理的反論と論理的主張一点張りの原稿です。手紙も書くのに時間かかって数日遅れるとタイミングを逸するからです。首を宣告されたら即郵送するつもりでいた。英会話で仕事していても、いざすぐに英語で何と言っていいか分からない時には、ブロークンな英語が通じる時がある。しかし英文の手紙を書く時ブロ-クンの英語は使えません。高卒英語しか勉強していない私は、独学で特に書く英語を勉強した。こうして在職中私は論理的に考え、論理的に行動することに専念した。
そのうちに日本国民の最大の欠陥は、法的マインドが乏しいこと、すなわち論理的に判断し、論理的な行動をとることを苦手としていることが分かってきた。日本国民の法的マインドのなさを表す典型的な例を二つ紹介しましょう。
一. 振り込め詐欺
皆さんは、オレオレ詐欺と言う言葉を知っているでしょう。ちょっと前流行っていた言葉だからです。しかしオレオレ詐欺も複雑化して、いまでは「なりすまし詐欺」、「架空請求詐欺」、「融資保証詐欺」、「還付金詐欺」、この四つ詐欺を総称して2004年12月9日、警察庁は「振り込め詐欺」と総称した。以後オレオレ詐欺とはいわなくなり、「振り込め詐欺」と一般化した。私は毎日午後7時頃夕飯をとる。そのためテレビを夕方6時ごろつける。NHKテレビの夕方6時半頃、テレビ画面には、「ストップ詐欺被害、私はだまされない」のタイトルが現れ、「だまされない劇場」が始まる。「だまされない劇場」と言っても一人の女性アナウアンサーが最近あった詐欺被害の実態を詳しく話をし、最後に一言警告を発するのだ、例えば、「警察官を名乗る人物が訪ねてきてもだまされない」とか言って番組は終わるのだ。毎日違う詐欺被害を月曜から金曜日まで、時には各地で行われる振り込め詐欺防止教育の実態の模様など、去年は丸一年間放送続けていました。今年も1月7日から同じ番組を始めています。詐欺の被害にあった人たちには同じ特徴がある。孫のふりをした、あるいは知人の振りをした偽者たちが指定したお金を取りにくると、だまされた人たちは完全に信じて、何百万、何千万の現金、あるいはキャッシュカードなどを与えてしまうのだ。人生何十年と過ごした人が、人生でまだ一度も会ったこともない人間に何百万、何千万も与えてしまうのだ。私に言わせれば大バカ者です。数年前ミステリー作家、石井龍雄氏の紹介で語り合ったある弁護士がいる。彼はあるテレビ局の番組、確か「法律相談」で有名になったが彼が言うには、日本人は皆契約書のサインなど後でどうにでもなると思って皆サインしますよと言っていました。一般の日本人はいつも法的に無防備なのではないでしょうか。ちなみに平成30年の振り込み詐欺の総額は、1月から10月までの総被害額の暫定値、合計286.2億円です。

二. 談合
現在、日本では独占禁止法で禁止されている談合が今でも平然と行われているのには驚きのいたりである。今から4、50年前、私が30、40代の時、私はアメリカの一流会社でニューヨークの株式市場に上場しているFlour Engineering & Constructing (フルーア建設会社)の東京支店で働いていた。当時1ドル360円の固定相場制で日本の産業機械設備は大変な輸出力があった。フルーアはアメリカ国内のプラント建設を手掛けていたが同時にアメリカ国内ばかりでなく国外のプラント建設も手掛けていた。このためフルーア東京事務所は、本社の海外プラント建設に必要な資材、機械、設備をプラント建設地に送る調達事務所であった。フルーア東京事務所の調達額は、毎年何百億円に達していた。そのため山九のような輸送会社や日本検査のような検査会社などが出向社員をフルーア東京事務所に常駐させていた。私はこのフルーアに18年間務めたがその間フルーアが本場のアメリカで、またフルーア東京事務所が日本国内で談合などしたことはありません。例えば、サウディアラビアのアラムコがサウデイアラビアの砂漠に年産50万トンの石油精錬プラントを建設する場合、アラムコは世界中のプラント建設会社に国際入札をかけます。そこえフルーアが入札参加する場合、フルーアの建値は、いつもCost plus Fee (コストプラスフィー)方式の建値です。
この意味は、プラント建設に掛った費用は全部請求します、その他の費用としてわが社の手数料を請求します。
一方当時の日本の建設会社の建値は、Cost Plus Fee 方式の方がいいのだが、談合方式にし
かなれていないからコストプラスフィー方式が出せない。そして出すのは毎回、プラント建
設にかかる費用一括して、例えば500万ドル(手数料込みの建設費)の値段を出すのだ。
これを称して一括払い、すなわちランプサム ペイメント(Lump―Sum Payment)。
何故日本の建設会社がCost Plus Fee方式の値段が出せないかというと、そのためには大変な経験がいるのです。サウディアラビアのアラムの石油精錬プラント建設のプロジェクトをフルーアの本社が受注したとすると、即にプロジェクトNo.例えば5551などの4桁の数字が決められ、フルーアの世界中のオフイスで使用されます。すぐにフルーア本社では、プラント建設に必要な機材の引き合いを作る。個々に独立した沢山の引き合いを作る、例えばプラント建設に必要なボルト&ナットまで、それぞれサイズと量を明記した引き合い、あるいは熱交換器(heat exchanger)の能力、サイズごとの引き合い、あるいは電線のサイズと長さごとの引き合い、ありとあらゆる必要な、建設資材、機器の引き合い書が作られ、ヨーロッパ、アメリカ、日本に送られる。欧米、日本から見積もりに参加する業者は、一つの見積もり依頼に対して平均10社ぐらいが応札し、見積金額が高い引き合いに対して15、6社ぐらいが参加します。日本に送られる引き合い書類は、全部東京オフィスに送られる。東京オフィスでは、絶対に渡してはならない会社がある。それは日本の商社です。商社を通しても通さなくても値段が変わらないと言っても引き合いが商社にわたることはない。すべての引き合いには、それぞれアメリカ本国での入札締め切り日が書いてある。締め切りの翌日なると一斉にアメリカで見積書を開封し、見積もり評価が始まります。見積もり評価が日本製のものが安いとなれば我々東京事務所の購買の人間がその製品を注文し、品質検査後船積みまで面倒をみることになる。
建設に掛った費用は全部顧客に請求するので見積もり評価の結果は、全部顧客に送られます。購入必要な機材の見積もり依頼の引き合いと見積書を取り、注文先を決め、船済み前に検査し、船積みをするのが調達の仕事だけではなかった。調達で働く社員は、アメリカ人スタッフも日本人スタッフも全員に毎週「ワークシート」というカードが渡されている。それには月曜から金曜日まで日付が横に順番に印刷され、縦にはプロジェクトナンバーが印刷される。例えばアラムコの精錬プラント、すなわち5551が印刷されている。そのほか現在ワーク中のプロジェクトナンバー縦にずらっと並べてある。私のワークシートのケースを並べれば月曜日アラムコの精錬プラント5551の仕事を月曜日3時間仕事したとすると5551の欄に3と記入し、他のプロジェクトNo.2321を2時間。他のプロジェクトNo.1222を3時間記入すると一日の労働時間8時間働いたことになる。月曜日から金曜日まで合計時間40時間になる。合計時間が44時間になると何曜日に何時間の残業をしたかそのプロジェクトNo.がわかります。一週間ごとに各自サインして会社に提出する。会社は日本人の一時間あたりの平均コストを知っているから、プラント建設にかかった費用いくらと計算されて顧客に請求する。建設に掛った費用は人件費だけでない。オフィスワークとして調達スタッフは、書類のコピーをとります。コピー室にはボード板がありそのボード版に日付とプロジェクトNo.を書き込み、コピーの枚数を書き込むことになっています。テレックスオペレイターは、原稿にはすべてプロジェクトNo.書き込まれるからテレックス費用がすべてわかります。郵便費用は、郵便ごとにプロジェクトNo.がわかりますから、まとめられます。取引先の業者が、我が事務所にやってきます。タイピストはコーヒーやお茶をだします。プロジェクトNo.と日付とコーヒーやお茶の杯数が書き込まれます。こういう費用までプラント建設にかかった費用として顧客に請求するのです。だから日本の建設会社は、国際入札のプロジェクトにはこのコストプラスフィー方式の値段を出したくてしょうがなかった。一括していくら のLumpsum Priceでは不安でしょうがなかった。プラント建設完了までには年数がかかる。ひょっとするとプラント建設完了まで世界の経済状態が激変したり、労賃の賃上げあったりすると、一括払い方式(lump-sum payment)では不安なのだ。やがて日本の建設会社も国際入札ではcost plus fee方式の値段が出せるようになった。国内ビジネスでもcost plus fee方式の値段が出るようになればいわゆる「談合」はなくなるはずだ。しかし談合はなくならない。私は今80歳だが、私がフルーアを止めて32年になるいまだ談合が続いているのだ。最近では「リニア談合」は有名だ。

最初にのべた「振り込め詐欺」は、詐欺師はいかに詐欺でないかとばれれないうように注意をする。しかし談合は建設業に勤める者ならば、会社は談合をやっていると担当者は誰もが知っているのだ。知っていて平然と談合に参加するのだ。私はアメリカの建設会社に18年間務めたから、定年後無意識のうちに、定年社員に談合について話会うが、誰も談合を非難した人はいません、皆礼賛さえしてします。いや社員や経営者だけを責めてはだめです。労働組合幹部の責任を問うべきだとも思います。日本国民も談合と聞けば、またかと言って腐れ縁のように感じて、談合業者を責めようとしないなのだ。
このように国民には法意識が薄いから日本憲法に無関心、また学者や左翼知識人は、戦後、戦前の日本は何が何でも悪い国にしておきたい人がまだまだまだ沢山生きているのだ。戦後のある憲法学者は、現在の憲法は、日本の革命でできたものとさえ公言した学者さえいるのだ。

三. 戦後日本には強力な政治家が現れなかった。
日本のビジネス界では、世界的な人物、松下、井深、本田、など沢山いるのだが、しかし政治の世界では誰も世界的な人物は現れなかった。GHQに占領されていたせいもあるのでしょう。田中角栄がもっと生きて活躍していたら、ひょっとして新憲法制定にとりくんでくれたかもしれないと思っています。角栄はアメリカの検察と日本の検察との共謀で殺されたようなもの。金権政治家と非難する人もいたが、どん底から這い上がって政治家になれば、金がなければどうしようもない。いかに金をうまく使うかが重要なのだ。
ところが石原慎太郎氏、私より6歳上だが、彼の国会議員時代、金権政治、角栄に猛烈に反発した。一方私は育ちが彼と似てどん底育ちだから角栄支持派だった。石原は一ツ橋大学時代に「太陽の季節」を書き芥川賞をとった。即ち若い時優雅に温室育ちだったから、角栄の人間性を見ることができなかったのだ。それで反角栄になったのだ。それがなんと石原84歳の2016年になったとき、角栄を超礼賛する「天才」という角栄の伝記小説を書きベストセラーになっている。
昨年は安倍総理は、小手先の憲法改正を唱え、圧倒的に非常に多くの保守人が安倍改憲論の支持者になった。安倍氏は岸元首相の孫です。現在では元政治家の家系育ちの議員が150人もいると言われている。私にはもう一つ言いたいことがある。私の世代では中卒で就職列車に乗って都会に働き出てきたサラリーマン、あるいは私みたいに高卒でサラリーマンになった人、この人たちはいわゆる下層階級の人たちです。上流階級の人たちは一流大学出て一流会社に就職した人たちです。この人たちは、大学生の時、共産主義に肩入れし、反米闘争を起こし、いわゆる有名でありと同時に悪名高い「大学紛争」を起こした。温室に育ったお坊ちゃま、お嬢さま大学生がインテリぶって大学騒動を起こし、国会周辺に大騒動を起こし、脱個性集団のかたまりみたいだった。
彼らが大学卒業ごろ、私も同じ年代で外資系で働いていた。そのころ一流大学出の人たちは、新卒では外資系で働こうとも思わなかった。外資系が不安だったのでしょう。一流大学出、一流会社勤続の名誉が欲しかったのだ。私より4,5歳若い小椋佳氏は、東大卒、日本勧業銀行のサラリーマをンです。銀行勤続中に演歌の作曲が趣味の段階を超え、ヒット曲を沢山だした。最近テレビ局で、「私の時代はまるで政府が、脱個性の性格をもったサラリーマンを非常にたくさん作っているみたいだった。」と言って当時のサラリーマンの脱個性ぶりを嘆いていた。彼とすれば、自分は銀行の仕事をさぼることなく、演歌の作曲をしていたのだから、副業を大っぴらに許してもらってもいいと考えていたのでしょう。安倍氏の憲法小手先改革にあれほどの保守層の支持を集めたとき、その支持者のあまりの脱個性ぶりにびっくりしたものです。
私が安倍氏支持一本で固まっていた時は、彼が一介の議員で積極的に公に「つくる会」を支持してくれていた時代です。「つくる会」が「つくる会」と「育鵬社」と分裂したとき、安倍氏は育鵬社の八木秀次氏を支持したのだ。安倍氏も若い時温室育ちだから、八木氏の人間性を見ることができなかったのだ。八木氏は八木氏で、自分が安倍氏と懇親の間柄だと大っぴらに吹聴していたのだ。八木氏が「つくる会」の会長の時、何をしたのか、私の拙著、「保守知識人を断罪す」(「つくる会」苦闘の歴史)、総和社、1500円+税」をぜひ読んで見てください。八木氏は、実にえげつない事をしていたのだ。安倍氏は、この八木氏を「つくる会」より信用したのです。
いずれにしても、安倍総理の小手先憲法ではダメ。公明党も参加しません。自民党は公明党が捨て去ることをしなければだめです。いずれにしても現在の政治家には、日本の新憲法制定は無理。半面新憲法制定時期は、意外に早くやってくるかもしれない。皆さん、平成30年12月13日の産経新聞の論文、西尾幹二氏の『「移民国家宣言」に唖然とする』をよく読んで下さい。
まだ読んでない人は、西尾幹二インターネット日録(https://ssl.nishiokanji.jp/blog平成30年12月16日)を読んでください。安倍内閣は、移民受け入れの詳細な条件を決めずに移民受け入れ態勢だけを決めてしまったのだ。いずれ違う国家の移民同士の争い、日本人と移民の争いなど国内治安維持の問題などが起きます。戦前戦後になかった問題です、これでは新憲法作成しなきゃだめだと日本政治家が立ち上がるのではないかと私は考えていますが、皆さんはどう思いますか。

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